空気調和衛生工学会 九州支部 市民公開WEBシンポジウム


「With and After COVID-19時代の建築物衛生管理に必要となる基礎知識」


開催主旨


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題に対し,建築環境工学・設備分野の研究者には,感染リスクを低減するための室内環境調整法,特に適正な換気量設定に関する情報発信が強く求められています.しかしながら,現時点では建築基準法や関連法規で定められた一人あたり換気量(20m3/hもしくは30m3/h)が担保された空間は「換気の悪い空間には該当しない」と述べることが精一杯で「感染抑制に効果のある実質的な換気量設定値」を具体的に提示することが出来ておりません.これはCOVID-19に対する研究蓄積が未だ不十分であること,特に曝露濃度と感染リスクを接続する研究蓄積が不十分であることの他,換気設計の実務に実装可能な居住者曝露感染リスクを定量的に議論可能な予測評価モデルや手法が無いことにも主因があります.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が完全に収束せず,季節性インフルエンザウイルスのように局所的にエンデミック(Endemic)化することを想定すれば,With and After COVID-19時代の建築物衛生管理に関して,今,議論を深めておくことは大切と思われます.
空気調和衛生工学会九州支部では,主に空気感染を前提とした感染症対策に寄与するWith and After COVID-19時代の建築物衛生管理と設備設計に関する基礎知識の共有を目的として,今回の市民公開シンポジウムを企画しています.感染症対策を視野にいれた場合の室内環境設計の思想から,具体的な換気設計法,衛生設備の設計法,更にはスパコン富岳を用いた最近のシミュレーション手法についても取り上げます.



11月28日付で各講演の配信は終了致しました.

本シンポジウムへご参加くださり,誠にありがとうございました.

・WEBシンポジウム視聴期間:2021年11月8日から11月28日の3週間


講演①

感染症対策も視野に入れた室内換気設計

東京大学 加藤信介


講演②

感染症対策としての換気設計の考え方

東京理科大学 倉渕 隆


講演③

コロナウイルス感染症対策としての衛生設備運用の考え方

関東学院大学 大塚雅之


講演④

飛沫感染リスクのシミュレーション技術について

九州大学 伊藤一秀



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各講演に関してご質問いただいた内容は,開催終了後にまとめて各講師の先生からご回答いただき,その内容を後日空気調和衛生工学会九州支部にて報告させていただきます.